From Editor
手作り和竿でミクロ釣り

なにがなんでもバス釣り時代
懐かしい…
〜 浮気のススメ 〜
と言ってもあの2人の話しじゃないですよ(笑)
このHPをはじめたころ、もうかれこれ10年も前のことだけど、 そのころの私はバス釣り一筋でした。 この釣りを上手くなるにはとにかくそれをやり続ける。 他の釣りにうつつを抜かしている暇なんてない。 そう思っていたのです。
ところがいろんなキッカケでへらぶなやわかさぎ釣りを始めてみて、 「あれ?これってバス釣りにも通じるかも」って思える発見が沢山あったのです。 ある釣りでは普通なことが、別の釣りで画期的な釣り方に つながることってあるんですよね。
そして今回、本当にひょんなキッカケからまた新たな釣り物が加わったのです。
〜 ♪ポケットの中から… 〜
ここ数年、わかさぎ釣りの世界でとても話題になっている釣り方、「零釣法」
渓流釣りや磯釣りではおなじみのこの釣法をわかさぎ釣りにとりこんだもので、
どうやらそれはタナゴ釣りの仕掛けを応用したものらしい。
「ん、タナゴ? やるの? 面白いよ〜」
そう言うとおじいさんはおもむろにポケットから何かを取り出しました。
ちょっと懐かしい粒ガムかなんかの細長いプラスチック容器。
しかしその中から出てきたものは、なんとびっくり釣竿。
しかも手作り!
一本10cmもない細い竹を継いでいくと、ちゃんと竿になるんです。
ほかにもウキとか仕掛けとか、
まるでおままごとみたいな小道具がポケットから次々に出てくるんです。
そしてさらにおじいさんから驚きの一言
「すぐそこで出来るんだよ」
なんですと、タナゴってそんな近所にいていいんですか!?

一平じいちゃん気取り
〜 「竿師」入門 〜
タナゴなんて真冬の北浦とかでやるマニアックな釣り。 竿なんてもはや芸術品で、とても入りこめる世界じゃないと思ってたから、 それがガムの筒から出てきた時はホントびっくりでしたよ。 なんだか私にも作れそうなんで、早速やってみました。
作り方はこちらのサイトを参考にさせていただいたので、 あえてここで詳しくは書きませんが、とにかく気軽で面白い。 材料の竹は本来は天日にさらしてよく乾燥させたものものを使うらしいけど、 河川敷とかに行けば折れて枯れてしまっているのがあるから、 それを拾ってくればすぐに始められます。 口巻きだって普通のミシン糸でもいいし、塗料だって例えばマニキュア使うって手もある。 すぐ乾いていいらしい。
そして何よりおもしろいのが火入れ。
あんなクネクネしてた竹が、たかだかヒーターの火であぶってしごくだけであんなまっすぐになるなんて!
竹採取から片手間に1、2週間、あっという間にタナゴ竿が出来てしまいました。
近くで見るとまだまだしょぼいんですが、こうやって遠めに見れば立派なもんでしょ?
〜 タナゴ釣りという世界 〜
実を言うと、ここまでの話はちょうど一年前の話。 それから現在に至るまで、この一匹に出会うまでは意外と時間がかかったんです。 と言うのもとにかく相手が小さくて、 びっくりするような非常識がこの世界にはあったからなんです。
はずはエサ
初めはへら用のグルテンを針先に引っ掛けるようにして使ってたんだけど、
タナゴ相手にはグルテンの繊維すら大きすぎることも。
なので卵黄と小麦粉を練って作るタナゴ専用のエサ、黄身練を使うのです。
次に仕掛け
既成の仕掛けでもなかなか作りのいいものがあって、
ウキなんて豆粒ぐらいの小さいのがついてるんだけど、
どうやらこれでも大きいみたい。
常連さんはウキからなにから全部自作するのが当たり前なんです。
そして極めつけは針
これすら市販の物をそのまま使うことはないんです。
針先を削って削って、ほんとに先端がちょこっと残るかなぐらいまで削ったものを使うのです。
もはやそれって金属加工の域でしょって感じだけど、
タナゴ釣りの世界ではごくごく常識なのです。
タナゴというミクロの釣り世界
この釣りの独特の感性が、きっとわかさぎ釣りやへらぶな釣り、
はたまたバス釣りにつながる日も近い…かも?