わかさぎStyle

〜 作って楽しむわかさぎ釣り道具 〜

KT_Air Zero(2011年モデル)

〜 全体概略 〜

超小型、超軽量!
驚異の超小型軽量モデル誕生!

2010年シーズンに松原湖で遭遇したマイクロわかさぎ。 これにより生まれた新たなテーマが「感じるリール」

このテーマに対してヒントになるのがKT四型の改良点。 巻き上げスイッチをモーター上部に移動した事で重心が手の中に納まり、 これだけですごく操作感が良くなったのです。

ということは、後方の重たい電池を外部電源式にして取っ払っちゃえば、 なおいっそう良くなるのでは? で、どうせ取っ払うなら軽量化にもこだわってみるか!
というわけで生まれたのがこのAirシリーズです。

〜 外形仕様 〜

長さ:90mm 幅:24mm 高さ:33mm 重量:23.4g

かなりの小型化、軽量化が図れていると思います。
「感じるリール」ということで、 目指したのは穂先に直接触れて操作するようなイメージ。 本体全体が手の中に納まり、 より穂先に近い部分で操作出来る形状を考えてみました。



目指したのはこのスタイル

かなり近づいた?

まず長さ。 これは外部電源化することで容易です。

問題は幅。
従来のスプール横置き型ではどうしても幅広になってしまうため、 今回は縦置きにしました。 これで手に持ったとき、 スプール部がちょうど親指と人差し指の間から出る感じになります。 また巻き上げ開始スイッチを極端に前方に配置したことで、 リール本体が完全に手の中に納まります。


〜 軽量化への挑戦 〜

形が決まったところで次なる課題は軽量化。 そこでネックになるのが言わずもがなモーターですよね。

しかし工作レベルで手に入りやすい物というと マブチのFA130タミヤのミニ四駆シリーズぐらい。 いずれも外形寸法や重量はほぼ同じで、もうちょっと選択肢がほしいところ。 実際には市販リールで特殊な小型モータを搭載したものが出ているので、 「そういう物」があるのは分かってましたが一般人が手に入れるにはなかなか…

と思っていました。
ところが最近この記事を書いたときに、 「小型モーターを使った工作」という点ではるかに進んだ世界があることを知りました。 模型飛行機の世界です。 そしてこの手のHPで頻繁に登場するのが STL JAPANの誉シリーズというモーターでした。

寸法や重量、入出力など様々なバリエーションがあって値段もまずまず。 入手も比較的容易で、私は秋葉原の有名なパーツショップ千石通商で購入しました。 通販もありますよ。

〜 モーター選定 〜

で、数ある種類の中から今回選んだのが 誉21(HS−SM4)です。

選定基準でまず重要なのは、十分なパワー(トルク)が得られるか。 しかし十分なパワーってどれぐらいなのか分からないので、 アトミックチューンやマブチFA130と比較してみました。(性能はパッケージ参照値)


アトミックチューンマブチFA130誉21
外寸   φ20.1×15.1×25mmφ20.1×15.1×25mmφ12×10×15mm
重量   17g17g5g
使用電圧 DC 2.4〜3.0VDC 1.5〜3.0VDC 0.7〜7.2V
最大トルク17gcm/7.2V
定格トルク14gcm/2.4V4gcm/1.5V4gcm/6V
回転数  13700rpm/2.4V6400rpm/3V14200rpm/6V

逆にアトミックチューンがものすごく大きく見える

これによるとアトミックチューンの適正トルク(=定格トルク?)は2.4V使用で14gcm。 KT伍型では単三充電池1本(1.2V)で使用しているので、 恐らく7gcmぐらいのトルクがあれば十分使えるという判断になるのかと。 KT_Airでは外部電源化するので使用電圧は高くてもかまわない。 トルクがそれぐらいでとにかく軽いものということで、 多少のチャレンジも含めてこの誉21を選びました。

それにしても並べてみるとこの小ささ。本当にいけるのか…?



と言うわけでさっそく組んで巻上げ力を測ってみました。


KT伍型は電源内蔵型(単三充電池1本)

外部式のAirは4本で
接続はUSBだぜ!

測定方法は図の通り。

キッチン用のはかりに十分重いオモリをのせて、 この状態ではかりのゼロ点を合わせます。 ここからオモリを引っぱり上げれば、 巻上げ力がマイナス値として表れるはずです。 (あってますよねぇ?)

この方法で測定したところ、KT伍型の巻上げ力は30gほど。(単三充電池1本(1.2V)による測定)  あれ、こんなもん?って感じですが、これでも20cmのイワナを上げるぐらい十分なパワーなんですよ。

ちなみに市販のリールってどれぐらいなんでしょう? 持っている方、ぜひ測定して教えてください(笑)


で、肝心のKT_Airの測定結果ですが…
な、なんと40gオーバー!!(単三充電池4本(4.8V)による測定)
うれしい誤算というか、予想をくつがえしてKT伍型を上回ってしまいました。 実際10gぐらいのオモリをぶら下げた巻き上げテストでも、これも問題ないどころか至って快調。 これは実釣が楽しみです。


中身はこんな感じ

〜 あとはおまけです 〜

モーターの話ばかりになってしまいましたが、まぁ実際あとはおまけみたいなもんです(苦笑)

基本構造は従来のKTシリーズと同じ、 しなるプラ板に貼り付けたモーターをスプールに押し付ける機構。 ただし縦置きになったため、これまでのようにモーター自重で押し付け力をまかなうわけにはいきませんし、 置くだけフリー機構も使えません。

というわけで、押し付け力については写真の通りスポンジをはさんで補いました。 で、フリー機構はというと…  側面から出た突起を手で押します。ロック機構はありません(^^ゞ



むしろシンプルさにこだわりたいの

いやぁ、正直なところ早くこのモーターを使って形にしたかったので、 ロック機構については今回は割り切りました。 でも逆に言うと、ここを割り切っちゃえば自作なんてホント簡単なんですよ。

そこで自作に踏み切れないでいる方も、まずは一つ作ってみるといいですよ。 いいアイデアはその後きっと出てきます。たぶん私も。




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